化学薬品製造業・P社は設備投資に慎重で、製品の市場地位が確立できるまでは外注を活用し、長期の取引安定が見込まれる場合にNPV法(正味現在価値法)で投資対効果の経済計算を行い、自社設備を購入することにしています。
また、設備を購入してからは、同業他社からの製造外注も受けて、設備稼働率の維持・向上に努めています。
安全余裕率とは
「安全余裕率=1-損益分岐点売上高/売上高」で図に示した通り、仮に安全余裕率分だけ売上高が下がったとしても赤字にはならないことを意味します。不況に対する抵抗力を示すこの比率が高ければ高いほど、簡単には赤字にはならない経営体質を持っていることになります。
安全余裕率を高めるには、売上高を上げることや変動費率を下げることも必要ですが、仮に売上高が上がらない場合を考えると、固定費の削減や変動費化を図ることが必要になります。
固定費は短期的に減らすことが出来ない
ので、その分利益低下の要因になるからです。
安全余裕率を高めるには そこで、安全余裕率を高めるには、過度な設備投資を控え固定費を下げる、パート・アルバイトを活用して人件費を変動費化することなどが重要です。 一方でコア人材は企業の長期的な競争力が決まる重要な経営資源であり、採用・育成に力を入れ、技術・ノウハウの蓄積・活用を図ることを忘れないことが重要です。