以前お話したように、マネジメントの課題には大きく3つあり、その1つが「仕事の生産性を上げて、働く人を活かす」ことでした。生産性の向上の最大のポイントは「責任」を前提にした労働にあります。
「仕事」を対象にした生産性向上活動
生産性向上のためのマネジメントでは「課題としての仕事」と「人の活動としての労働」の双方を対象にしなければなりません。
課題としての仕事を理解し、生産性を上げるには、
① 仕事の分析(作業と作業の順序を知る)
② プロセスへの統合(生産工程として編成する)
③ 管理手段の組み込み(工程の中に管理手段を組み込む)
④ 適切な道具の付与
これらが不可欠になります。
「労働」を対象にした生産性向上活動
一方で、人の活動としての労働を促し、生産性を上げる手法も欠かせません。これに対しては、「責任」を前提条件とした労働環境の構築を提唱したいと思います。これは、労働者が自分の職務に責任を持ち、働く者が主体的に成果を上げることを目的にするものです。
とはいえ、労働者が自ら責任を果たそうとするには、条件の整備が不可欠です。そのための条件として、
①生産的な仕事の設計
②自身の成績に対するフィードバック
③継続学習の機会
これらの整備があげられます。
加えて、職務と収入の保証で、働く者が主体的に成果を上げることを促そうとします。
X理論とY理論
ダグラス・マグレガーが提示した、労働者に対する2種類の考え。X理論は、人間を怠惰で仕事嫌いと考えます。一方、Y理論は、人間は本来仕事を通した達成感を欲しているという立場をとります。この2つの理論を統括するのが「責任」を前提としたマネジメントなのです。
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