組織編も今回が最後になります。最後は責任型組織です。
責任型組織の具体的な例えとして、「オーケストラ」がよく引き合いに出されます。オーケストラは、指揮者と演奏家の集団からなります。組織の階層は極めてフラットで、1名の指揮者に多くの演奏家が従属します。個々の演奏家は、高い専門技術を持つと共に、楽曲全体が最高の調べになるよう自分の演奏に責任を持ちます。一方、指揮者は個々の演奏家が弾く楽器を演奏することはしませんが、個々の演奏家から力を引き出し、オーケストラ全体として最高の音楽を奏でる術を知っています。
責任型組織の特徴
オーケストラと同様に責任型組織では、高度な専門知識や専門技術を身に付けたメンバーが集まります。そして個々のメンバーは、高い自己責任のもと、自らの目的を果たすよう努めます。そして、組織のリーダーは、あたかも指揮者のようにこれらのメンバーを統率し、メンバーの高度な知識や技術をいかんなく発揮させます。
今後、ドラッカーが言うところの知的社会はますます進展します。知識社会では、高度な専門知識を持つスペシャリストやテクノロジストが協力して成果を上げなければなりません。その際に、責任型組織は不可欠な組織形態になるといえるでしょう。
メリット
・組織の階層がフラットで風通しが良い
・個々のメンバーが自分の使命を把握しやすい
デメリット
・リーダーの高い能力が不可欠
・メンバー個々人の高い責任感が不可欠
知識社会の到来で主流になる可能性を秘めています。
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