今回は、「マネジメントする人」が有すべき能力や手段について触れます。ここでの「マネジメントする人」とは「マネジャー(manager)」、
すなわち組織の成果に責任を持つ人のことです。
Manager=マネジメントする人
マネジメントとは「組織の成果を上げるための道具、機能、機関」を指します。そして、「組織が成果を上げることに責任を持つ人」、これがマネジメントをする人、すなわちマネージャー(manager)です。
一般にマネジャーというと「他の人の働きに責任を持つ人」と理解されがちです。一方、ここでいうマネジャーとは、単に人の働きに責任を持つのではなく、企業が上げるべき何らかの成果に責任を持つ人だという点に注意してください。
また、マネジャーは、権限の象徴としても捉えられます。しかし、マネジャーは、権限ではなく、「組織に貢献する責任」という視点から定義するのが、本来の定義です。
トップ・マネジメントだけが成果に責任を持つのではない
加えて、企業が上げる何らかの成果に責任を持つのはトップ・マネジメントいわゆる経営陣ばかりとは限りません。単独の専門職として仕事をする人や工場の職長でさえ、会社が何らかの成果を上げるのに責任を持っています。
トップ・マネジメントのみならず、こうしたすべての人がマネジャー、すなわち「マネジメントする人」であると理解してください。
3人の石工の話
「マネジメントする人」の特徴を指摘するために、3人の石工の話を掲げましょう。
ある日、3人の石工が、何をしているのかと聞かれました。3人はそれぞれ、①これで食べている、②国で一番腕のいい石工の仕事をしている、③教会を建てている、と答えたそうです。この中で、マネジャーの資格があるのは③の男です。「マネジメントする人」は、組織の成果に即して自分の責任を規定できなければならないからです。一方、①の男はマネジャーにはなれないでしょう。組織の目的に従って、自分の目標を理解している人、これがマネージャーです。
さて、あなたは、3人の石工のいずれにあたりますか?
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