M&A講座VOL.３

今回は、M&Aの代表的なスキームをご紹介します。

○   合併

２つ以上の会社が１つになる手法です。

合併には、吸収合併と新設合併があり、前者は、複数の当事者会社のうち1社

(存続会社)の名の下に合体し、他社は消滅会社となります。

後者は、すべての当事者会社が一旦消滅し、新会社を設立するという形をとります。

通常の合併の場合、コストや時間の点で有利なため、吸収合併の手続が採用される

場合が多く見受けられます。

○   株式取得、資本提携

過半数の株式取得の場合はいわゆる買収となり、半数未満の場合、資本提携 

(資本参加)と呼ばれます。

○　事業譲渡（営業譲渡）

　　営業の全部または一部を他の会社に譲渡する手法です。

　　合併や株式の100％譲渡の場合と異なり、譲渡の対象資産・負債を一部の営業に

　　限定することが可能です。

○　会社分割

　　会社が、自社の営業の全部または一部を新しく設立する会社に承継させる「新設分割」

　　と既　存の会社に吸収合併的に承継させる「吸収分割」とがあります。それぞれの場合に

　　おいて、営業を分離する会社自身が営業を承継する会社の株主になる場合（物的分割）

　　と、営業を分離する会社の株主が営業を承継する会社の株主になる場合（人的分割）と

　　があります。

○　業務提携

　　複数企業間での業務面のみの提携。資本の移動は伴いません。
　　本格的Ｍ＆Ａへの導入段階として採用されます。

○　合弁

　　

　　新たな業務分野等に進出する際、新規事業進出におけるリスクの軽減、シナジー効果

　　の創出、あるいは業務や資本などの相互補完等を目的として、複数企業間で出資し、

　　当該事業を行う会社を設立するものです。