今回は前回に引き続き、海外勤務者についてお話したいと思います。
海外勤務者には、できる限り日本に居る時と同じ保険を継続させることが望ましいといわれます。
それぞれの制度のメリットとしては次のようなことが挙げられます。
①健康保険継続のメリット
→療養費・高額療養費・傷病手当金等の支給がある(介護保険は対象外です)
②厚生年金保険継続のメリット
→将来の年金額に不利益が生じない
③雇用保険継続のメリット
算定基礎期間にかかわるため、所定給付日数が変わる
出向先の国によっては、改めて現地の年金制度に強制加入させられて、二重の年金制度に加入することになることもあります。
そのような事態を防ぐために、一部の国とは「社会保障協定」が結ばれています。
年金の社会保障協定の基準は、派遣期間が5年以内と見込まれるか否かで大きく異なります。
●5年以内見込→日本の社会保障制度に加入することが出来、現地の社会保障制度の加入は免除される
●5年超え見込→現地の社会保障制度に加入しなければいけません(その間日本の厚生年金被保険者資格は喪失する)
年金受給権の算定の際は合算対象期間(カラ期間)となりますが、その間分の年金は相手国側から受給できます
注意が必要なのは、
健康保険や厚生年金の標準報酬月額が、日本円支給分のみが基礎とされるので保険料が安くなる反面、
将来の厚生年金受給額が低額になったり、傷病手当金や出産手当金も低額な標準報酬日額の2/3となる危険もあることです。
海外勤務者が出た場合は、年金事務所の窓口に相談し、より良い方法がないか十分検討してみてください。
ぽにょん
最近のコメント