来月1日より、改正育児・介護休業法が全面施行されます。これにより、従業員数100名
以下の企業に関しても育児短時間勤務導入などの対応が必要になります。
最近では、積極的に育児を行う男性のことを「育メン」と称し、マスコミにも取り上げ
られるなど、男女を問わず育児と仕事を両立することに対して少しずつ理解が深まってき
ているように感じます。
ところが、このような趨勢とは対照的な調査結果が、このほど厚生労働省から発表され
ました。
このほど厚生労働省が発表した「平成23年度男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、
パートタイム労働法に関する相談、紛争解決の援助及び是正指導の状況まとめ」という調
査結果の中で、事業所での規定整備率、男女の育児休業取得率の推移について取り上げら
れています。
これによると、女性の育児休業取得率は、平成8年に49.1%だったものが、平成23年には
87.8%と大幅に上昇し、女性の育児休業取得については定着化が進んでいることがよくわか
ります。
また、なかなか取得率が高まらず、今回の改正にも盛り込まれている男性の育児休業に
ついては、平成23年の取得率が2.63%と、初めて2%台に到達し、過去最高となっています。
こうした育児休業への関心の高まりとともに、育児・介護休業法に関する雇用均等室への
相談も多くなってきています。平成23年は、全体では昨年比で減少はしたものの、育児介護
休業法に関する労働者からの相談については10,415件と、前年度比(10,193件)で増加して
います。
労働者からの相談内容では、育児関係では育児休業に係る不利益取扱いが1,444件と最も多
く、次いで育児休業(期間雇用者の育児休業を除く)に関する相談が1,217件となっています。
私たちのクライアントでも、こうした育児休業の取得率上昇を背景に、育児休業に関する相
談が増えてきています。相談内容も育児介護休業に関する法律的な確認から、育児休業期間中
の代替要員や復帰後の取り扱いといった人事・組織的な側面に及んだものまで様々ですが、人
事・組織的な側面におよんだ、複雑な相談内容が増加している傾向にあります。
中小企業にとって、1名育児休業取得者だ出現するだけでも、会社全体には大きな影響を与えます。
法律の浸透を背景に、育児休業は取らせなければいけないものという理解は深まりつつありま
すが、依然として場当たり的な対応が多く、業務への支障が少なからず発生しているのが中小
企業の現状です。労使双方にとって育児休業を取得しやすい環境作りのために、常日頃から、
組織、業務内容、社員構成等を意識した対策の必要性を感じる今日この頃であります。
こども部長
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