Q.当社の社員で、何度も服務規律に違反し、懲戒処分として減給を考
えていますが、減給を賞与から行う場合の注意点はありますか。
A.結論から言えば、賞与も賃金ですので、減給の制裁をすること
が可能です。
そもそも減給の制裁とは、服務規律違反などで会社の秩序を乱した場
合に対する制裁の1つです。この制裁は、あらかじめ就業規則に規定す
ることで可能となります。しかし、この制裁が会社によって無制限に行
使されてしまえば、賃金が大きく変動してしまい、社員の生活が不安定
なものになってしまいかねません。
そこで、減給額について上限が定められています。減給1回は、
平均賃金の半額以内、総額は一賃金支払期の賃金の10分の1以
内です。
ここで注意すべき点は、総額が一賃金支払期の10分の1を限度とす
るならば、賞与から減給の制裁をする方がより多い金額を減給できる、
と考えてしまうことです。ここでいう、総額の10分の1を限度に減給
できる場合は複数回にわたる懲戒行為とそれに相対する減給の制裁
を行った結果、累計額が賞与の10分の1に達している場合を前提と
しています。したがって、1回の懲戒行為に対しては、原則通り平均
賃金の半額までの減給です。賞与だからといって総額の10分の1
を減給することはできません。
このように賞与から減給の制裁を行うことは可能ですが、誤った制裁
を課さないように注意をすべきです。
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