あけましておめでとうございます。
いつもご購読いただき、誠にありがとうございます。
今年も、本メルマガを通じて、会社経営者や企業の人事労務担当の方
が、人事・労務のトラブルに遭うことがないように、少しでも役に立つ情報
をお届けしていきたいと存じます。
今後も、引き続きご愛読をいただければ幸いでございます。
人事労務指導部一同
●パート・アルバイトの募集のコツ
今回は、パート・アルバイト雇用の入り口のとなる募集についてみていき
たいと思います。
求人募集をしてもなかなかパート・アルバイトが集まらないというお悩み
を抱えている経営者や人事担当者の方々は多いと思います。求人募集を
してもなかなか集まらない原因として次のようなことが考えられますので、
皆さんの会社でパート・アルバイトを求人募集するときに次のようなことを
行なっていないか、求人募集のあり方について見直してみてください。
1.辞めてから慌てて集めるという場当たり的な対応
パート・アルバイトというのは、家庭や学校というように仕事より優先す
べきものが存在します。「学校の勉強に専念したい」、「クラブの大会が
ある」、「子供が病気になる」、「主人の仕事の関係で・・・」といった様々
な理由で会社を簡単に辞めていきます。そもそも、パート・アルバイトの
メリットというのは流動的な雇用形態であり、これは会社側だけが都合
よく活用できるメリットではなく、パート・アルバイトの労働者側にとって
もメリットになるもので、会社側にはデメリットにもなるものだと認識して
おく必要があります。 こうした突然の退職に備えて、パート就業規則や
雇用契約書等に「退職する場合は退職日の14日前までに事前会社に
申し出ること」といった自己都合退職の方法について明確にしておくこと
で、14日というある程度の余裕を持った募集が可能になってきます。
また、パート・アルバイトが担う仕事というのは、単純定型業務で労働
力集約型の仕事が多いと思いますので、突然に辞められてしまうと、残
されたパート・アルバイトが残業を強いられ、残業代の支払いといった問
題も発生してしまいますので、「多数精鋭・短時間労働型」にして、労働
力に多少のゆとりを持たせることで、突然の退職でも多少の余裕を持っ
た求人募集が可能になります。
さらに、求人広告を出す際の募集媒体を定型化しておくことで、突然
の退職の際の速やかな対応を可能にします。
2.採用予備軍を備えていない
パート・アルバイトの退職理由が流動的であれば、入社理由も流動的
なものです。したがって、1回退職した人でもその後の状況が変われば、
また入社してもらえることも可能です。また、条件的な都合が折り合わず、
採用が見送られた人も、同様にその後の状況が変われば、入社してもら
えることが可能な場合があります。
求人募集をしても、なかなか人が集まらないような場合で緊急を要するよ
うな場合には、あらかじめ「退職者リスト」や「面接者リスト」といったものを
常備していつでも連絡がとれるようにしておくと便利です。
しかし、最近では個人情報保護法によって、目的外の個人情報の利用
が制限されていますので、退職時や面接時に、再募集の際には優先的
に連絡させてもらう旨をあらかじめ伝えて、同意をもらっておく必要があ
ります。
3.応募資格が限定的で門戸が狭い
優秀なパート・アルバイトを採用したいがために、パート・アルバイトを
募集する際の応募資格に職種や経験、年齢、労働日、労働時間といっ
た応募資格を限定してしまう場合があります。 パート・アルバイトの仕
事というのは、前述したとおり、単純定型業務が中心になりますので、
職種や経験を問うのはあまり向きませんし、「自分の好きな曜日や労働
時間に働ける」ことが、パート・アルバイトの最大の応募動機ですので、
これを制限してしまっては集まるものも集まりません。前述した通り、「多
数精鋭・短時間労働型」の体制にしておく必要があります。
優秀なパート・アルバイトには、長くたくさん働いてもらいたいものです
が、これは募集時の条件とするのではなく、入社後の処遇面を魅力あ
るものにして、パート・アルバイトのやる気を引き出すことで行なうべき
です。
4.労働条件が他の会社よりも悪い
求人広告を出しても人が集まらない理由として、賃金をはじめとする
募集時の労働条件が悪いということが挙げられます。
これは、ただ賃金がはじめから高ければいいというものでもなく、入
社後の昇給や賞与、退職金といったパート・アルバイトのやる気を引
き出すような求人広告に記載できる処遇制度が充実しているのか、初
心者でも安心して働けるように、OJTを中心とした教育制度が充実し
ているのか、労働日や労働時間は柔軟に対応できるものになっている
のか、更衣室や休憩場所といった社内設備が清潔であるのか、といっ
た他社に勝る労働条件、求人広告でアピールできる労働条件を整備し
ておくことが大切です。
こうしたパート・アルバイトのやる気を引き出す処遇面については、後
日ご説明していきます。
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