以前より首相が「再チャレンジ支援」の一つとして掲げてきた、
パートタイマー等非正規雇用者の厚生年金の適用範囲について、
2009年度の当初予定より前倒しして見直し作業に入った。
現在は、週30時間(正社員の概ね四分の三の時間)以上働いているパートタイマーが
加入対象だが、これを週20時間以上に広げる案を軸に見直ししている。
この案では、新たに約300万人が加入することになる試算になっているが、
条件の拡大だけでは、過去に2004年にパートタイマーが多い、流通業界等の反対に
あって取り下げており、今回も産業界やパートタイマー本人達からの反発は必死である。
今回は過去の経緯を踏まえ、従業員300名以下の中小企業への適用を一定期間除外
する案が有力となっている。また加入対象を週当たりの労働時間に加え、
①勤続年数1年以上
②給与が厚生年金の標準報酬月額の下限である9万8千円
③猶予期間を置く等、
激変緩和の措置を盛り込むことが検討されている。
一方で厚生年金の適用範囲を広げると、加入条件をそろえている健康保険の見直しも必
要になる可能性がある。
いずれにしろ、この法案が成立すると、企業の福利厚生費の負担は避けられない状況である。
日本経済新聞より
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