■高額な自由診療の位置づけ
自由診療を選択した場合に発生する材料費や院外技工の技工委託費など高額なコストが多い歯科医院にとっては、消費税増税分が収入金額に転嫁できないと利益を圧迫することになります。それに伴い、他業種にも散見されるような“買い控え”のような患者さんの心理行動から、契約数が減少するということも少なくないのではないでしょうか。
インプラント等の自由診療は、他の診療に比べ、診療収入単価が高いため、医院の利益に大きく貢献している医院も多いと思います。しかしながら、その反面、知識や技術を会得するための研修費用や医療機器等の購入費用も多額になることから、金融機関からの借入金が多くなることがあります。その場合、景気の動向や消費税率、さらには社会的風評などの外部的な要因に左右され、収入の波が大きくなりますと、毎月の借入金返済を含めた資金繰りに苦労する可能性が出てくるでしょう。
このような自由診療に対する逆風があるなか、最近は、インプラント等を医院経営の中心的位置づけではなく、あくまで治療の選択肢の一つという考えを持たれている歯科医師の先生が増えてきているように感じます。特徴ある歯科医院を目指そうとしている先生方の意図の表れであると思います。
(MMPG歯科経営研究室)
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