政府は6月16日、産業競争力会議を開催し、「日本再興戦略」の改訂版の素案が事務局から示されました。
この改訂素案の一つに ▼医療・介護などの健康関連分野をどう成長市場に変容させていくか を挙げています。その内容は、「健康産業の活性化と質の高いヘルスケアサービスの提供」として、
1. 医療介護等を一体的に提供するための新たな法人制度の創設などにより、医療介護サービスの効率化・高度化を図り、地域包括ケアを実現することで、医療介護の持続性と質の向上を両立すること、
2. 健康増進・予防へのインセンティブを高めることにより公的負担の低減と公的保険外の多様なヘルスケア産業の創出を両立すること、
3. 保険外併用療養費制度の大幅拡大により多様な患者ニーズへの対応と最先端技術・サービスの提供を両立すること
の3つを重点とし、社会保障の持続可能性の確保、質の高いヘルスケアサービスの提供、健康産業の活性化の同時実現を目指しています。
そのための鍵となる施策として、
▼ 非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)(以下:非営利HD法人制度)の創設、
▼ 保険外併用療養費制度の大幅拡大
等が示されました。
非営利HD法人制度の創設については、医療法人制度においてその社員に法人がなることができることを明確化した上で、複数の医療法人や社会福祉法人等を社員総会等を通じて統括し、一体的な経営を可能とすると明記しています。
その制度設計に当たっては、当該非営利HD法人制度への多様な非営利法人の参画(自治体、独立行政法人、国立大学法人等を含む)、意思決定方式に係る高い自由度の確保等、医療法人等の現行規制の緩和制度の大幅拡大 を含む措置について検討を進め、2014年内に結論を得るとともに、2015年中に制度上の措置を目指す などの具体案を挙げています。
保険外併用療養制度の大幅拡大は、保険給付対象範囲の整理等が検討されています。 どちらの施策としましても、今後の動きに注目です。
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