今回は、医院の戦略に関わる「本質機能」と「表層機能」についてお伝えいたします。
口コミをした事のある人を対象にしたあるアンケートによると、口コミをした理由として「丁寧に説明してくれるから」「症状が良くなったから」「先生が優しい」「スタッフの対応が良い」などが上位になっています。
一方別のアンケートでは、二度とかかりたくないと思った理由として、上位から「医師の態度が悪い」「医師の技術が不安」「医師が丁寧に説明しない」「スタッフの対応が悪い」と並んでいます。
いずれにしても、医療技術以外の要素が満足度を大きく左右していることが分かります。では、これらのうち何に対して優先して取り組むべきなのでしょうか?
患者満足を「本質機能」「表層機能」とに分類する理論があります。「本質機能」とは必ずなくてはならない基本的な機能であり、医院であれば診療行為がこれに該当します。一方「表層機能」とは、必ずしも必須ではないが、あると嬉しい機能であり、これには感じの良い接遇やきれいな待合室などが該当します。
上述のアンケートに当てはめますと、「症状が良くなった」「医師の技術が不安」が「本質機能」に関わる部分であり、他は「表層機能」に関わっています。
この2つの機能は、患者満足度に与える影響が全く異なっています。
「本質機能」は、これが不足していれば全てが台無しになってしまいますが、いくら水準を上げてもある一定の水準で満足度の伸びが止まってしまうという性質があります。逆に「表層機能」は、これがなくても直ちに不満につながるようなものではないのですが、水準が上がれば上がるほどに満足度はどんどん高まっていくのです。
このことを踏まえますと、医院の戦略としては以下のことを重視すべきでしょう。
① まずは「本質機能」に問題があるような印象を持たせないこと。医療機器等の見た目が古い、清潔感がない、などといった状態では、「本質機能」が劣っていると判断されるのも無理はありません。
② 「表層機能」は感動レベルを目指すこと。水準が上がれば上がるほど満足度が上昇する「表層機能」では、長所を伸ばして「その一点においては地域ナンバーワン!」と言い切れるほどのレベルを目標に据えましょう。他医院と比較して足りない部分を補うだけでは、平均レベルのサービスにとどまりますので、患者満足度の上昇にはつながりにくいでしょう。感動してファンになってくれた患者様からは、口コミの効果も期待できます。
いかがでしょうか。今まで何となく行ってきた増収増患対策についても、優先順位をつけて実行できるのではないでしょうか。
具体的にどこをどのようにレベルアップさせるか?これについては、弊所からも情報を流させていただいておりますし、今後もいろいろなアイディアをご紹介する予定となっておりますので、ご期待下さい。
医療課のHPはこちら → http://www.toma.co.jp/hospital/interview.php
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