国際モダンホスピタルショウについて
7月15日から3日間、東京ビックサイトにおいて『国際モダンホスピタルショウ2009』が開催されました。
医療機器、環境設備ゾーン、健診・ヘルスケアゾーン、看護ゾーン、介護ゾーン、施設運営サポート・サービスゾーン、医療情報システムゾーンに分かれて展示がなされ、出展者による様々なプレゼンテーションセミナーがあり、製品を体験できる出展ブースには行列ができ、広い会場には熱気があふれていました。
そんな数ある展示者の中から、今回、私が気になった二者をご紹介させていただきます。
1.『日本オルゴール療法研究所』
こちらの提唱されるオルゴールセラピーとは、特注のスイス製オルゴールが発する低・高周波を使って脳の中枢にある脳幹の血流を促進して、自律神経とホルモンの分泌に恒常性を取り戻そうとする療法です。これにより、自然治癒力を引き出し、慢性病からの回復・改善を行なうというものです。
確かに、オルゴール音のCDもありますが、CDの場合、可聴域範囲のみで構成される電気音なので、低・高周波は一切含まれず、セラピーとしての効果はないようです。
オルゴール療法は、内科、皮膚科、リウマチ科、アレルギー科などの実際の治療現場で、使用されているようです。また、他の診療科でも、待合室だけでなく、施療中にもオルゴールの使用により、美しい音楽によるリラックス効果や癒しのBGMにもなります。
実際に、オルゴールの箱に頭を接して響きと音色を体感しましたが、今まで味わったことのない不思議な感動を覚えました。
興味を持たれた方は、まず、年に一度のクリスマスコンサートやオルゴール療法の体験などで、ご自身で体感してみてはいかがでしょうか?
2.『㈱ランドスケープデザイン』
こちらが提案されていたのは、「医療福祉施設の緑空間のデザイン」で、施設の窓から見える風景の庭を二つのテーマで設営されていました。
① 味覚を楽しむブルーベリーなどの「実物」、個性的な香りを持つハーブ類、葉の感触を触って楽しむ植物などにより、癒しの効果や自然治癒力の向上を目指そうという誘導の庭。
② 小鳥が羽を休めるような大きい木や季節の花々、風にそよぐ草木などバランスよく空間に植栽して、病室から見て動きの感じられる風景を作り出している鑑賞の庭。
患者さんの心をときほぐして五感を刺激するエクステリア造りにより、癒しと自然治癒力の向上になります。
実際、ラベンダーの香りを味わい、「ラムズイヤー」というビロードのような手触りの葉に触れて、小さい中に大きな自然の力によるリラックス作用があると感じました。
既に緑の空間を演出されている病医院さんも多いかもしれませんが、環境と人にやさしいアイディアのひとつとしてご参考になればと思います。
全体として、「地球環境にやさしい病院づくり」がテーマということもあり、今年は、病院が配慮すべき地球環境保護についてのパネル展示や環境に配慮した製品、さらに環境保護に力を入れている病院・施設の事例のパネル展示がありました。
これからの病医院経営において大切なテーマとなっていくはずですので、是非、心に留め置いていただければと思います。
皆様も、来年の『国際モダンホスピタルショウ』に行かれてみてはいかがでしょうか?きっと、面白い発見があるはずです。
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