厚生労働省は、社会医療法人の要件について、特定医療法人や特別医療法人に設けられている承認要件をそのまま当てはめることは考えていないことを明らかにしました。
平成19年4月1日に施行された新医療法上では、社会医療法人の要件として、親族1/3要件や解散した場合の残余財産の帰属を国等にするなどの規定が設けられています。しかし、この中の「公的な運営に関する基準」については、まだその詳細が定められていませんでした。
社会医療法人制度の前身である特別医療法人制度では、差額ベッド30%の基準や給与総額3600万円の上限、社会保険診療割合80%以上の要件がありましたが、厚生労働省は社会医療法人の認定要件にはこれらの要件を見直す考えを明らかにしました。
特に社会保険診療割合80%の基準は、昨今の医療制度改正により、自費の割合が高くなってしまい、要件を満たせなくなってしまう医療法人も出てきてしまうという問題点を抱えていました。また、産婦人科の病院のみを運営する医療法人などは自費の割合が高いことから、承認を受けること自体が困難でした。産婦人科医が不足している現状や少子化のことを考えると、産婦人科の病院こそ公益性の高い医療法人として認めるべきだと思うのですが、現状ではそれが叶いません。今回の改正で、これらの医療機関にも認定のチャンスが与えられることを期待しています。
ただし、あまり緩い要件だと、税制上の恩恵が受けられないことも考えられるため、休日夜間の診療を○日以上、救急搬送は○件以上といった基準を高くすることにより、医療保健業は非課税、収益事業は軽減税率の実現を考えているようです。
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