平成19年4月1日施行の改正医療法を間近に控え、厚生労働省が医療法施行規則のパブリックコメントを募集し始めました。今回の募集内容は、医療法人制度に関する内容が大勢を占めています。その中から今回ご紹介するのは、「基金制度」です。
医療法の改正に伴い、新しい医療法人の形態では「出資持分」という概念がなくなります。今後設立される社団医療法人には、「出資持分」はありません。しかし、設立時に誰も出資しなければ、医療法人を運営する財産がないので、出資の代わりに設けられる制度が「基金制度」です。
基金制度は、社団医療法人の資金調達手段として社団医療法人に拠出者が金銭などを拠出し、その基金を返還する際には利息を付けずに返還するという制度です。もちろん医療法第54条で剰余金の配当は禁止されていますので、基金を拠出したからと言って配当を受けることは出来ません。要は、拠出した金額以上には戻ってこない何の見返りもない制度です(出資額限度法人と考え方は一緒です)。
厚生労働省はこの基金制度により医療法人の出資持分の問題(払い戻しや相続税の問題)を解決しようと考えていましたが、改正医療法には盛り込まれていなかったため、導入されたとしてもどの程度法的効力を持つ制度なのか疑問に思っていました。しかし、今回のパブリックコメントの募集内容をみると、医療法施行規則に盛り込まれることになりそうです。
まだ、パブリックコメントを募集している段階ですので正式決定ではありませんが、基金制度は上記のような制度になりそうです。パブリックコメントの募集は、3月28日までですので、ご意見のある方は厚生労働省に出してみてはいかがでしょうか?
最近のコメント