9,828円88銭、これは昨年の12月17日の日経平均株価の終値です。
前日の第46回総選挙で自民党が勝利し政権復帰した日の翌日ということになります。
ちなみに、昨年11月16日の衆議院解散の日の終値は、9,024円16銭、公示日の12月4日の終値は、9,432円46銭でした。
昨年の総選挙の結果を受け安倍政権が発足して約9ヶ月が経過しました。この間、アベノミックスや東京オリンピックの招致成功など明るい話題も増えてきたように感じます。
さて、今年の9月27日の日経平均株価の終値は、14,760円07銭になっています。
昨年、12月17日から約9ヶ月間でおおよそ150%の上昇ということになりました。
この様な株式市況の盛り上がりと、最近のテレビCMなどで盛んに耳にする「NISA」という言葉で株式投資に興味をもたれた方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、「NISA」のメリット・デメリットについて簡単に解説したいと思います。
メリット・デメリットの前にそもそも「NISA」とは何かを一言で表せば、次の通りになります。
「年間100万円までの投資の利益が、非課税になる」制度
現在、株式投資(上場株式や公募投資信託、以下「上場株式等」という)をした場合、その持っている株式の配当や譲渡益にかかる税率は、10.147%となっていますが、平成26年の1月1日からは、原則税率の20.315%になることになっています。
税率が上がった場合、上場株式等の売買の落ち込みが予想されることから、一定の投資額までの配当や譲渡益について非課税とすることとしました。
さて、この「NISA」ですがどのようなメリットがあり、また、注意すべきデメリットがあるのか述べていきます。
先ずはメリットから
「年間100万円までの投資の利益が非課税となる」
実は、メリットはこれだけです。といっても100万円の投資の利益が非課税となるのですから結構なものだと思いますが。
では、デメリット若しくは注意点は
1. 損失が無かったものとされる。
上場株式等を売買した場合、損失が生じることもありますが、その譲渡損失についてその損失が生じた年の他の上場株式等の譲渡益と損益通算したり、その損失を翌年以降3年間繰り越したりできますが「NISA」の場合は、利益も課税されない代わりに損失も無かったことにされます。
2. あなたが、もし「NISA」の口座を持っていて同時に特定口座や一般口座もお持ちの場合に、上場株式等を「NISA」の口座から特定口座、一般口座に移した場合
移したときの時価がその上場株式等の取得価額とされるため、その上場株式等を譲渡した場合、最初に取得した取得価額で計算したら譲渡損失が生じる場合でも譲渡益が生じることがあります。
3. 口座開設は、20歳以上の成人で1人1口座までの制限があります。
4. 100万円の非課税枠は繰り越せません。
5. 配当の受け取り方を「株式数比例配分方式」にしなければ、非課税になりません。
この様に、100万円の非課税枠が受けられるメリットがある代わりに、損益通算ができなかったり、口座開設に制限がある、上場株式等の取得価額が変わる、配当の受け取り方にも注意が必要など様々な注意点があります。
また、「NISA」は、証券会社や銀行で開設できますが、証券会社や銀行で取扱っている商品やサービスについて各々違いがありますので、自分が欲しい商品やサービスについてよく調べた上で口座を開設されることをお勧めします。