~決算隊ブログ 5~ 課税文書の判断基準
朝晩が冷え込むようになってきましたね。外出した際は、うがいを心がけましょう!
今回は、課税文書に該当するかどうかの判断基準について、事例により解説致します。
【事例1】 ~駐車場賃貸借契約書~
貸主甲と借主乙は、下記の通り、駐車場Aの賃貸借契約をここに締結する。
第1条 甲は、乙に次に定める契約により駐車場Aを賃貸する。
第2条 乙は甲に対して、駐車場Aの賃借料として月額40,000円を、前月末までに支払うものとする。また、契約開始月の賃借料40,000円については、本日支払うものとする。甲は、乙からこれを受領した。
≪解説≫
Point1:上記契約書は、駐車場の賃貸借を行うことを目的に作成された文書です。
単に駐車場としての施設を貸すことですから、土地の賃借権の設定には、
当たりません。よって、この部分に関しては課税事項には該当しないので、
不課税ということになります。
Point2:契約書第2条に、契約開始月の賃借料を受領した旨の文言があるので、
賃借人が法人である場合などは営業行為ですから、別表第一の第17号文書(※1)に該当します。
つまり、第17号に掲げる「金銭の受領事実を証する」という課税事項を証明する目的で作成された文書と認められることになります。
※1 別表第一の第17号文書・・・売上代金に係る金銭又は有価証券の受領書等
Point3:賃借料は資産の貸付けの対価ですから、対価性があり売上代金に当たります。
よって、第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受領書)に該当し、記載された受領金額40,000円に対し、段階税率が適用されます。この場合には、賃貸人が賃借人に対して交付する文書が課税文書に該当します。この場合も、金銭の受領の事実を相手方に証明することになるので、賃借人、つまり金銭を支払った乙が保有している契約書が、第17号の1文書に該当することになります。
この事例においては、契約書の第2条「受領した」という文言が、金銭の受領事実
という課税事項を証明しているので、この文言の記載がなければ、課税文書に該当しないことになります。
まるご