平成21年12月22日に閣議決定された「税制改正大綱」について、今回は法人課税関係の主な内容をご説明します。
◇資本に関係する取引等に係る税制
・100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引等
100%グループ内の内国法人間で一定の資産の移転(非適格合併による移転を含む)を 行ったことにより生ずる譲渡損益を、その資産のそのグループ外への移転等の時に、その移転を行った法人において計上する制度とし、これに伴い、適格事後設立制度を廃止する。
なお、上記の改正は、平成22年10月1日から適用されます。
・中小企業向け特例措置の大法人の100%子会社に対する適用
資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等の100%子会社については、軽減税率・交際費等の損金不算入制度における定額控除制度・欠損金の繰戻しによる還付制度等の中小企業向け特例措置を不適用とする。
なお、上記の改正は、平成22年4月1日以後に開始する事業年度より適用されます。
・連結納税制度
連結納税の開始又は連結グループへの加入に伴う資産の時価評価制度の適用対象外となる連結子会社のその開始又は加入前に生じた欠損金を、個別所得金額を限度として、連結納税制度の下での繰越控除の対象に追加する。
なお、上記の改正は、平成22年4月1日以後に開始する事業年度より適用されます。
◇特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止
平成22年4月1日以後に終了する事業年度から、特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止し、給与所得控除を含めた所得税のあり方について議論していく中で、個人事業主との課税の不均衡を是正し、平成23年度税制改正で「二重課税」の問題を解消するための抜本的措置を講ずる。
◇情報基盤強化税制の廃止と、中小企業等基盤強化税制の拡充
従来の情報基盤強化税制については、平成22年3月31日の適用期限の到来をもって廃止し、代わりに、中小企業等基盤強化税制を拡充し、資本金の額等が1億円以下の法人による仮想化ソフトウェア等を含む情報基盤強化設備等の取得に係る措置を追加する。(所得税についても同様とする)