①1ヵ月分の立替経費は経費精算申請書で集計する
経費の集計作業ができない人はいません。
ただし、各自が勝手なやり方をされては困りますので、所定の経費精算書を指定します。やり方さえ決めて教えてあげれば、みなさんきちんとやってくれます。
まずは、1ヵ月の領収書を取引内容ごとに分類します。そして、交通費や交際費などの勘定科目ごとに分けて、この経費精算申請書に記入していきます。記入する項目は、支払日、勘定科目、支払相手先、支払金額、取引内容です。勘定科目ごとにそれぞれ集計し、合計を記入します。書き終わった領収書はすべてこの用紙のウラに貼ってもらいます。
様式だけ決めて、表計算ソフトを使うか、手で書くかは、各自にまかせましょう。あとは、締め日と提出期限を決めてやってもらうだけです。
②立替経費は給料と一緒に銀行振込にする
経費の精算のたびに、銀行振込をしていたら、振込の準備や承認などの手間が面倒で、小口現金で精算していたのと変わらなくなってしまいます。
そこで、給料と一緒に振り込みます。
すでに給料振込は、どこの会社でも行っていますので、そこに立替経費を プラスするだけで、支払いに関しては新たな作業は発生しません。
これで、毎日やっていた経費精算が、毎月決まった日に集中して処理でき、なおかつ、管理が面倒だった小口現金をやめることができるようになります。
立替経費を給料と一緒に銀行振込にすることにより、一石二鳥の効果があるのです。
③現金払いでないやり方を工夫する
やり方を変えるときは、必ず反対意見が出ます。
経費を社員に1ヵ月間立て替えてもらうとなると、いろいろな問題が想定されます。その対処法をいくつかご紹介しておきます。
A、出張の多い場合
出張が多く、個人で立て替えるのはキツイという人もいると思います。
これについては、仮払制度をそのまま継続してください。
でも、仮払いするとき、もう現金は使いませんので、仮払いする金額を会社から社員の個人口座に振り込みます。出張精算が終わってから、残高がある場合は、逆に会社の銀行口座へ返金してもらいます。不足がある場合は、通常の立替経費と同様に給料と一緒に振り込むようにします。
B、請求書を発行してもらう
社員が立替えて払ったり、経理が現金で支払うのをできるだけしないようにし ます。
会社が支払うものは、口座振替を利用するか、請求書を発行してもらい、毎月の支払日に振り込むようにします。たとえば、会社の事務用品などは、アスクルなどを利用して、1ヵ月分をまとめて支払うようにします。
キャッシュレスにするために、法人カードを利用するのも有効です。ただし、法人カードの場合、カード明細だけでは、取引内容がわかりませんので、使ったときの利用明細は、必ず保管しておいてください。
数少ない例外を持ち出して、小口現金を廃止できない言い訳にしている会社がたくさんあります。例外は個別に対応するようにして、まずは小口現金を廃止しましょう!
(BY GOTOKU-Style)
※ 藤間事務所は、代表・税理士児玉尚彦氏が主催する「経理合理化プロジェクト」のプロジェクト推進事務所です。本文は税理士児玉尚彦氏の著書『キャッシュレス、伝票レス、社員レス!ココまでできる経理の合理化』、『「儲かる経理」に30日で変わる究極の方法』から引用しています。