そろそろ3月決算の会社の皆さん、株主総会ですね。
株主総会の決議事項には色々ありますが、今日はお客様からよく質問される株主総会および決算作成の留意事項について、思いつくままに紹介します。
1.株主総会に附属明細書を提出する必要があるか → 必要ありません。
私の理解では附属明細書は監査役の監査に役立つために作成するものです。附属明細書を参考に監査役は監査をし、計算書類の適正性に意見を述べます。
株主に提供するのは監査役の意見の付いた計算書類ですので、株主に直接的に開示する必要はありません。
なお、ここで計算書類とは貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表を言います。
2.旧商法の利益処分案が新会社法の株主資本等変動計算書になったのか。 → 利益処分という考え方は剰余金の処分と整理され、従来の利益処分案と株主資本等変動計算書は別物です。
色々書くと混乱するといけないので、単刀直入に述べます。株主資本等変動計算書は事業年度中の株主資本=純資産の変動を記載しますので、株主資本等変動計算書の期首残高と期末残高は貸借対照表の期首残高と期末残高に必ず一致します。
気をつけていただきたいのは、市販の会計ソフトを使用していない会社の場合、従来どおり株主資本等変動計算書ではなくて利益処分案を作成してしまうケースが散見されることです。
従来利益処分に記載されていた配当は株主総会の議案の一つとなります。また、任意積立金を積立てる、取り崩す場合も剰余金の処分として議案として載せることになります。
3月決算を受けて行う配当の内容は個別注記表に記載します。前期も配当している会社は前期分の配当(5月か6月に決議し、支払うので当該事業年度の株主資本の変動となります)と当期分の配当の両方を記載することになります。
3.法人税申告書の別表四の1③の社外流出はどう書けばいいのか → 今期は空欄になります。
4.取締役会の決算承認は監査役の監査報告の後になったのは何故。 → 適正な計算書類について決算承認する必要があるという立法趣旨です。
この順序が旧商法とは変わりました。ご留意ください。また、計算書類および附属明細書を監査役会に提示するのも、決算取締役会の原則4週間前になりました。昨年と同じタイミングで決算スケジュールを組んでいる会社の方は、日程がタイトになるはずですので、会社法違反にならないよう気をつけてください。
株主総会ご担当の皆様はもっともっと疑問点があるとお思います。今後も随時お客様からのご質問内容を可能な限りご紹介していきたいと思います。
(By Th)