平成25年分確定申告からの改正点

年が明けた平成26年1月Ｘ日、クライアント先から事務所へ戻ってきた秋子のところへ、
新人1年目の部下であるアキラ君がやってきました。

アキラ) お帰りなさい、秋子先生！頼まれていた平成25年分確定申告の案内チラシの
　　　　原稿が出来上がりました！！

秋子) ご苦労さま、アキラ君。あとでチェックするから机に置いておいてね。

･･･数十分後。

秋子) うん、内容はだいたいこれでいいわ。
　　　あとは今回の確定申告から変更になる部分を一緒におさらいしましょうか。
      まず大きな改正点は何かしら？

アキラ) はいっ、まずは平成25年から平成49年までの各年分について、復興特別所得税が
　　　所得税にプラスされるところです。

秋子) そうね、今までに比べて所得税×2.1％分多く納めるイメージね。
　　お給料から天引きされている源泉所得税も、この分だけ多くなっているはずよ。

アキラ) あっ、だからボクのお給料、額面変わらないのに手取りが減ったのはそのせい
　　　だったんですね！
　　　　てっきり秋子先生が意地悪で減らしたのかと思ってました！

秋子) ちょっと、私はそんなことしないわよ(笑)仮にも経営者なんだから、きちんと
　　事務所の給与規程に則って計算してるわよ。
      まあそれはともかくとして、あとは何があるかしら？

アキラ) ちょうどお給料の話が出てきたので･･･給与所得関係も少し変わりましたよね！
　　　確か年収が1,500万円を超える場合には、計算時に収入から差し引かれる給与所得
　　　控除額について、245万円が上限になるんでしたよね。

秋子) 正解！個人事業者の必要経費にあたる給与所得控除額が実態に比べて多過ぎる
　　のでは？ということで改正になった経緯があるのよね。
      仮に年収2,000万円の人の場合だと、所得税と住民税合わせて年間でだいたい
　　12.5万円今までより負担が増える計算になるわ。　

アキラ) 結構大きな負担なんですね～そしたら該当しそうな社長さんに声を大にして
　　　お知らせします！！

秋子) お知らせは普通の声の大きさでいいわよ(苦笑)
　　　あと給与所得関係では、特定支出控除の改正もあったわね。

アキラ) 今までに比べて給与所得からマイナスできる金額が増えたのと、該当する支出の
　　　範囲が増えたんですよね。
　　　　税理士の勉強中の身であるボクとしては、対象となる支出の中に税理士資格を
　　　取得するための費用が含まれるようになったのが嬉しいです！

秋子) 予備校の授業料やテキスト代の出費は結構負担が大きいからね～
　　　じゃあ、今年の夏の試験結果に期待してるわよ(笑)
　
アキラ) ･･･が、がんばります(汗)

秋子) さっ、気を取り直して次行きましょう！
　　　退職所得の計算でも一つ大きく変わったところがあるけど分かるかしら？

アキラ) 短期間で辞めた役員や議員、公務員の人がもらった退職金については、退職所得
　　　の計算上、所得金額を2分の1することが出来なくなったことです！

秋子) そのとおり。これらの人が勤務年数5年以下で受け取った退職所得については、所得
　　 税の負担が厳しくなったのよね。
　　　退職所得の計算が優遇されている本来の趣旨である、「退職後(特に老後)の生活の
　　保護」という観点から考えると仕方ないのかもしれないわね。

アキラ) ボクも早く偉くなって、いろんな会社の役員になって、退職金ガッポリもらいた
　　　いです！！

秋子) 上を目指すのはいいことだけど、何だか動機が不純だわね(苦笑)

アキラ) す、すみません･･･(再び汗)
　　　　あっ、そういえば去年まで所得税からマイナスできた電子証明書等特別控除、
　　　今年から出来なくなってしまったんですよね。

秋子) そうね、平成19年分の確定申告から創設された税額控除制度だけど、この数年で
　　電子申告を利用する人がだいぶ増えて、ここで一旦廃止ということになったのよね。
　　　もちろんウチの事務所も数年前から先駆けて電子申告を利用してるわよ♪

アキラ) さすが秋子先生！時代の寵児！！

秋子）おだててもお給料は上がらないわよ(苦笑)

アキラ) あ、バレました？(三たび汗)

秋子) 前にも言ったとおり、お給料の査定はあくまで公明正大だからね(笑)
　　　さっ、だいぶ長くなったから最後にひとつ、確定申告書以外で同じく3月15日までに
　　提出しなければならなくなった書類が今年からひとつ増えたのだけど･･･

アキラ) 確か国外なんちゃらでしたよね！？

秋子) あらあら、どうやらうろ覚えみたいね･･･
　　　正確に言うと「国外財産調書」というもので、その年の12月31日において、
　　その価額の合計額が5千万円を超える国外財産を所有する居住者は、その財産の種類、
　　数量及び価額など必要な事項を記載したこの調書を、対象年の翌年の3月15日までに提出
　　しなければならないことになったのよ。
　　　今回提出分は平成25年12月31日の保有状況で判断するということね。

アキラ) 日本にも外国にもそんな財産のないボクには、なんだかイメージ湧きませんが･･･
　　　　ちなみに秋子先生は提出対象者になるんですか？(ワクワク)

秋子) ふふっ、それはヒ・ミ・ツ(笑)

 

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事業財産承継部：浅原