秋子 社長!社長の相続税が大幅に減額になるかもしれませんよ!
S社長 ? こないだ、再来年から基礎控除が少なくなるので私に相続が起こったとき
は負担額が前よりも増えるっておしゃってたじゃないですか。また法律が変わっ
たのですか?
秋子 いえ、平成27年から基礎控除が従来の6掛けになるのは変わらないのですが、
社長の会社の株式の評価額が大幅に下がるかもしれません。
S社長 どういうことですか?
秋子 社長の会社は食品製造業で売上が20億円以上なので株式の評価上、大会社に
分類されるというのは前にお話しましたよね。
S社長 ええ、ただ数社ある100%子会社の株式の評価額が非常に高く、総資産に占め
る株式の割合が全体の30%くらいになってしまうので、本来なら使える、評価
が低めにでる評価方法が使えないという話だったと思いますが。
秋子 はい。※類似業種比準方式という方法なのですが、平成25年5月27日付の通達
改正により、それが使えるようになったんですよ。従来は 総資産に占める株式
等の保有割合が、「大会社」の場合は25%以上が株式保有特定会社と判定されて
いました。株式保有特定会社の場合、原則として会社が解散したときの処分価額
である純資産価額方式で評価をすることになります。これが、評価通達の改正により
大会社においても50%が基準となりました。
したがって、総資産に占める株式の割合が約30%であれば、30%<50%なので、
今回の改正により今まで使えなかった類似業種比準方式が使えるようになりました。
S社長 でもなぜこのタイミングで通達の改正があったのですか?
秋子 平成9年の独占禁止法の改正に伴い、会社の株式保有に関する状況が、株式保有
特定会社に係る評価通達の定めが置かれた平成2年当時から大きく変化していること
などを理由に、株式保有割合25%という数値をもって資産構成が著しく株式等に偏っ
ているとはいえないという判決が平成25年2月28日にでたからです。
S社長 そうだったんですか。では、早速最新の数字で株価の再評価をお願いします。
秋子 はい、ではすぐ洗替評価のお見積りをお持ちしますね!
評価をした結果、類似業種比準方式と純資産価額方式では株価に4倍の違いがあり、
オーナー経営者であるS社長の相続税の試算額も大幅に下がることになりました。
今回の通達改正は東京高裁の判決(平成25年2月28日)に伴うものであるため、過去に遡って
改正後の通達を適用することにより、過去の相続税等の申告の内容に異動が生じ相続税等が
納めすぎになる場合には、国税通則法の規定に基づき、この通達改正を知った日の翌日から
2月以内に所轄の税務署に更正の請求をすることにより、当該納めすぎとなっている相続税等
が還付となります。
なお、法定申告期限等から既に5年(贈与税の場合は6年)を経過している相続税等については、
法令上、減額できないこととされていますのでご注意ください。
※類似業種比準方式・・・類似業種比準価額方式は、業種の類似する大会社の平均株価に
比準させて、評価会社の株式価額を求める方式です。純資産価額方式と比べて必ず類似業種
比準方式の方が有利になるというわけではありませんが、資産に含み益があったり、業績が
よく大きく成長した会社の場合は純資産も大きくなっているので、類似業種比準方式の方が
評価額が低くでることが多いです。
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