先日、法人の顧問先であるA社の社長からこんな相談を受けました。
A社長) 土地を売却しようと思って不動産業者に相談したのですが、業者から「相続の手続きをしてもらわないと 売却ができません。」と言われてしまいました。その土地は10年前に死んだ親父の名義のままで、その後、手続きはなにもしていませんでした。
秋 子) まずは、土地の名義を相続人の方に変更する登記手続が必要ですね。A社長のお母様やご兄弟の状況 についてお聞きしてもいいですか?
A社長) 私は一人っ子なので兄弟はおりません。母は現在、一緒に暮らしているのですが、最近認知症がかなり 進んでしまって、今回土地を売ろうとしたのも母を介護施設に入所させる施設費の捻出のためなんです。
秋 子) その場合だと成年後見人の選任が必要かもしれません。
A社長) 成年後見人?
秋 子) お母様の状態にもよるのですが、お母様に判断能力、つまり、売買等をする際にその法律行為を理解して自分にとって有利なのか不利なのか等を考えることができない場合だと、お母様のかわりにその助けをする人を選ぶ必要があります。家庭裁判所が後見開始の審判をして成年後見人を選任することになります。
A社長) それは、すぐにできるものなのですか?
秋 子) いえ、書類等が提出され、裁判所が審判をするまで一般的には2~3ヶ月くらいかかります。
その後、幸いにも信頼できる親族の方が成年後見人になれるということで手続きは問題なく進み,土地はなんとか売却することができたようです。しかし、売却するまでに随分時間がかかりA社長もお父様が亡くなった時にきちんと手続きをしておけばよかったと話していました。不動産は相続が発生してから時間が経過してしまうと、手続きが大変になるケースが多くなります。実際にわからないこと等があればそのまま放置せず信頼の置ける相続手続きの専門家に相談しましょう。
問い合わせ先 0120-944-733
事業財産承継部:植田
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