Sさん)昨今の税制改正案で相続税の増税が検討されているなか、自社株式の生前贈与は計画的に行うことにより、大変有効な手段と聞いたのですが、どうして有効なのですか。
秋子)はい、暦年贈与を活用する場合、毎年の基礎控除額が110万円あります。
仮に後継者に10年間110万円分の株式を贈与した場合、1100万円もの財産が無税で後継者に引き渡すことができます。
もちろん、後継者の他のご家族にも毎年贈与することにより、更なる財産の移転が可能になります。
Sさん)それでは、実際に株式を贈与する場合どのような手続きが必要ですか。
秋子)自社株式の贈与については、以下の手続きが必要になります。
(1)株式の価額の算定
贈与額を確認せず、株式の贈与を行った場合、多額の贈与税がかかる恐れがあります。
(2)贈与契約書の作成
有価証券の贈与契約については、印紙税不要になります。
(3)会社に対する譲渡承認申請の提出
多くの中小企業は株式譲渡制限の規定を定めているため、株式の譲渡承認申請書を会社に提出する必要があります。
(4)取締役会議事録の作成
株式譲渡制限の規定を定めている会社の多くは、譲渡承認機関は取締役会のため、譲渡承認申請に基づく決議を行い、取締役会議事録を作成する必要があります。
(5)法人税申告書「別表2」の変更
株式の移動があった際、株主名簿の変更を行い、法人税申告書「別表2」の同族会社等の判定に関する明細書を変更する必要があります。
(6)贈与税の申告及び納付
基礎控除額以上の財産をもらった人は、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までに税務署に対し贈与税の申告及び納付をする必要があります。
自社株式の生前贈与は計画的に行うことにより、相続税対策に大変有効な手段であり、
相続(争族)対策としても有効な手段になりますので活用しましょう。
問い合わせ先 0120-944-733
事業財産承継部:澤村
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