亡くなったBさんの相続人は、Bさんの妹のAさんを含む兄弟姉妹・代襲相続人を含め5人になります。Bさんは自筆遺言証書を残しておりました。遺言の内容は、「(相続人ではない)Cさん(Aさんの長女)に、全てを『相続』させる。」というものでした。
Cさんは相続人でないため、「遺贈」取得になるはずですが、遺言書ではCさんに全てを「相続」させるという文面になっていたのです。
Cさんが遺贈取得をするためには相続人全員の署名・押印が必要になるところでしたが、家庭裁判所に検認の審判が下りた後Cさんを遺言執行者に選任してもらい、相続人の同意をとらずに遺言書どおり全ての財産の遺贈を受けることができました。
このケースの場合、全ての財産をと書かれていたので財産の記入漏れや間違いはありませんでしたが、①財産をどうするかという文面で、本来「Cさんに遺贈する」であるべきところ「相続させる」と書かれていたこと、②遺言執行者の指定がなかったこと、が問題でした。
このように、自筆遺言証書は生前手軽に準備できるため遺言として残される方がおりますが、手続きの際に内容が不明瞭であったりして法律的な体裁が整っていないことから、改めて手続き依頼書への署名、押印を求められたり分割協議に移行したりするケースが多く見受けられます。自筆遺言証書を書かれる場合は、一度専門家へ相談することをお勧めします。また、法的にも確実な遺産相続ができる遺言として、公正証書遺言がお勧めです。
問い合わせ先 0120-944-733
事業財産承継部:大谷
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