平成19年度の相続税の改正で、中小企業のオーナーが後継者に非上場株を相続時精算課税を利用して贈与した場合の特例が創設され、自社株の贈与がしやすくなりました。
相続時精算課税は、贈与された財産から2,500万円を控除した金額に20パーセントの税率をかけて計算します。例えば3,000万円贈与したら(3,000万円-2,500万円)×20%=100万円 100万円の贈与税ということです。何年かに分けて贈与をした場合は、2,500万円を超えたときからその超えた部分について20パーセントが贈与税としてかかります。相続が発生したときには、それまでの贈与財産と相続財産を合わせて税金を計算し、贈与のときに支払った税金があれば今回の相続の税金から控除します。そのときの贈与財産は贈与したときの価額で計算されます。
今回の改正で、要件と手続きをみたせば、贈与する親の年齢制限が65歳から60歳に引き下げられ、非課税枠が2,500万円から3,000万円に引き上げられました。年齢が引き下げられたことにより早い時期から、後継者への株の異動ができることになります。平成19年1月1日から平成20年12月31日までの贈与について適用されます。
この特例の対象となる特定同族株式等については,議決権の制限がつけられていないこと、その発行会社に黄金株についての定款の定めがないことなど厳しい要件が定められています。なお、医療法人の出資や合同会社の出資は対象とはされていませんので注意が必要です。また,贈与の翌年3月15日から4年経過時点で受贈者が株式数と議決権を50%超を所有している必要があります。それを経済産業局で確認証明し・その証明した書類を税務署に提出することになっています。なかなか手続きは煩雑のようです。
金額としては500万円しか引き上げられていませんが、贈与者の年齢が5歳下がったということで利用者が増えるのではないでしょうか。
問い合わせ先 資産税部:大町
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