平成25年8月30日に、経済産業省より平成26年度税制改正に関する要望において、「中小企業投資促進税制の拡充・延長」が公表されました。
「中小企業投資促進税制」とは、中小企業が、生産性や事務能率の向上等を図るため、一定の設備投資を行った場合に、その投資金額について、税額控除(7%)又は特別償却(30%)の選択適用を認める制度です。年間約37,000社が活用している制度で、小規模な企業も多く利用しており、中小企業支援の期間税制として広く認知されています。
この度の経済産業省の要望では、①現行制度の適用期限(平成25年度末)の延長、②ソフトウェア、ソフトウェアが組み込まれた設備等を導入した場合の税制措置の拡充について挙げられました。
中小企業の多くは、ITの活用が必要だと考えていても、コストが負担できないとの悩みを抱いているため、ソフトウェア及びソフトウェアと一体となった設備の導入に際し、即時償却や税額控除の引上げることで、中小企業のIT化、自動化に資する設備導入にかかる費用負担の軽減を図ろうという目的です。
下記に、①現行制度の概要、②ソフトウェア、ソフトウェアが組み込まれた設備等を導入した場合の税制措置の拡充についてまとめました。
まだ決定ではございませんが、IT化をお考えの皆様は、ぜひ「中小企業投資促進税制」を活用できるかどうか、事前にご検討してみてはいかがでしょうか。
【①現行制度の概要】
項 目 |
中小企業投資促進税制 |
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対象業種 |
ほぼ全業種 (娯楽業、風俗営業等を除く) |
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対象事業者 |
中小企業者等 (資本金1億円以下) |
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対象 設備 |
機械・装置 |
すべて (1台160万円以上) |
器具・備品 |
電子計算機 (複数台計120万円以上) デジタル複合機 (1台120万円以上) 試験又は測定機器 (1台30万円以上かつ複数台計120万円 以上) |
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工具 |
測定工具及び検査工具 (1台30万円以上かつ複数台計120 万円以上) |
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ソフトウェア |
複数基計70万円以上 |
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貨物自動車 |
車両総重量3.5t以上 |
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内航船舶 |
取得価額の75% |
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適用期間 |
平成26年3月31日までに行われる設備投資等に適用されます。 |
※中小企業投資促進税制の活用に当たっては、幾つか留意点がございますので、中小企業庁のHPにて、ご確認下さい。
【②ソフトウェア、ソフトウェアが組み込まれた設備等を導入した場合の税制措置の拡充】
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現行 |
拡充案 |
特別償却 |
30% |
即時償却 |
税額控除 |
7% (資本金3,000万円以下に限る) |
①12%へ増加(資本金3,000万円以下) ②資本金3,000万円超~1億円以下も 税額控除(7%)を使用可能に |
税額控除・特別償却の 繰越し |
1年 |
3年へ拡充
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※上記税制措置の拡充要望は、「XindowsXPのサポート期間が切れるため入替が必要」や「特別償却・特別控除ともに、設備投資の翌事業年度までしか繰越できないので、繰越できる期間を延長してほしい」等、中小企業の声が反映されたものとなっています。